代表挨拶

秋田大学医学部附属病院
総合臨床教育研修センター長   長谷川 仁志

 広範な医療圏をもつ秋田県において、秋田大学医学部附属病院にとどまらず、基幹病院における十分な診療を担える一般総合医、内科系・外科系各科専門医や救急専門医などの医師養成のための教育研修システムの拡充は喫緊の重要な課題であります。

 その対策のひとつとして医学シミュレーション教育が注目され、秋田県と秋田大学の協同による地域医療再生計画の一環として秋田大学医学部附属病院シミュレーション教育センターが平成24年3月15日に開設されました。現在、卒後臨床初期研修医、後期研修医、各種の専門医、指導医、看護師等の医療従事者による当シミュレーション教育センターの利用が進んでいます。

 当センターは東北最大の専有面積を誇る医学シミュレーション教育専門研修施設であります。3階建ての近代的建物にはスタッフルームを配置し、専門医を含む医師キャリア形成支援センターの専任職員が当シミュレーション教育センターの管理・運営を行っています。各種シミュレーションの詳細は当ホームページを見ていただければ幸いですが、概略を紹介させていただきます。

 TVセミナー室ではTV会議システムを用いた県内外の連携・関連医療施設との双方向症例検討会やセミナーの配信・受信が可能です。画像診断学習室にはマルチスタイル画像システム、画像解析アプリケーションを導入し、画像診断能力の向上を目指します。2階には緊急処置ラボおよび操作室、臨床基本手技ラボ等があります。大学病院の病室を再現した緊急処置ラボには、人工呼吸器、成人・乳児の人体型高機能シミュレータを配備し、多岐に渡る病態に対する緊急処置・治療の実習が可能であり、急変時の対応スキル、チーム医療の向上が期待されます。また研修内容を振り返り、学習するために、6台のカメラを駆使して、映像、音声、処置記録簿を同期させて保存できます。本システム によって国内外の学外施設の指導者による遠隔地シミュレーション研修も可能です。臨床基本手技ラボでは、採血、静脈確保、中心静脈栄養カテーテル(CVC)挿入留置、腹部超音波検査の基本トレーニングや外傷アセスメントスキルの習得ができます。

 3階は外科研修室、外科手技ラボ、産婦人科手技ラボ、臨床専門手技ラボがあります。外科研修室には手術室から手術映像をサーバーに保存することにより、実際の手術手技を動画で学習可能です。外科手技ラボにはバーチャルリアリティー手術研修環境を整備し、腹腔鏡手術、結紮、皮膚縫合、血管吻合 などの手技習得のシミュレータ実習ができます。産婦人科手技ラボでは出産シミュレータによる出産対応や子宮鏡検査治療、また泌尿器科領域では経尿道的手術、前立腺癌密封小線源治療計画 のシミュレーション研修が可能です。臨床専門手技ラボには、消化管・気管支内視鏡、3次元放射線治療計画システム、体外循環や人工心肺装置、中耳バーチャル手術、眼科手術用双眼倒像鏡、関節鏡手術、経胸壁・経食道心エコー等のシミュレータが配備され常時研修使用可能です。これらは各初期研修医、後期研修医のスキルアップとともに、各科専門医を目指す医師にとっても大きな教育研修ツールとなります。

 医療技術習得の機会は、以前は臨床現場でのいわゆる"On The Job Training"のみでありましたが、近年は、過度な緊張が無く、時間的制約の少ない安心した環境で行われる"Off The Job Training"すなわちシミュレーション教育が重要視されています。もちろんシミュレーション教育が患者様にとって大きな恩恵になることは言うまでもありません。私どもは秋田大学医学部附属病院シミュレーション教育センターの素晴らしい環境と設備のもと、シミュレーション教育・研修を医学・医療に積極的に取り入れることにより、専門研修医のみならず、初期研修医、各科専門医、さらには医学部学生、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士、薬剤師等の医療従事者も含めた医療人全体のスキルアップが実現し、質の高い専門医および医療人の養成に繋げられると考えています。どうぞ、秋田大学医学部附属病院シミュレーション教育センターを大いに活用していただきたいと思います。

秋田大学医学部附属病院 シミュレーション教育センター
〒010-8543 秋田市本道1-1-1 秋田大学敷地内

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