H24年度研修報告⑤ >>> がん研究会有明病院~泌尿器科~

[研修先医療機関名]がん研究会有明病院 (泌尿器科)
[研修期間]平成24年10月1日~平成24年12月28日
[研修項目および概要]一般診療(病棟、外来、検査、手術)
[研修内容]○病棟業務、検査、手術
[研修内容] 月曜日)
[研修内容]〇手術、病棟
[研修内容]〇午後にCT読影(月1回)
[研修内容]〇夕方5時から部長回診、マクロ病理カンファ、病理カンファ
[研修内容]〇薬剤説明会、治験キックオフミーティングなど

[研修内容] 火曜日)
[研修内容]〇朝カンファランス(CB)、症例検討(放射線科、病理部、腫瘍内科合同)
[研修内容]〇手術、病棟、午後に外来カテーテル交換

[研修内容] 水曜日)
[研修内容]〇病棟、小手術

[研修内容] 木曜日)
[研修内容]〇朝カンファランス(CB)、症例検討(放射線科、病理部、腫瘍内科合同)
[研修内容]〇手術、病棟
[研修内容]〇夕方に部長回診

[研修内容] 金曜日)
[研修内容]〇手術、病棟、検査


≪診療内容・体制≫ ~刺激を受けたり、ユニークと感じられた点~
患者さんは、もちろん癌患者のみで年齢層は50~70歳が多く、秋田と比べ若い印象があった。疾患は膀胱癌、前立腺癌、腎癌、腎盂尿管癌、後腹膜腫瘍、精巣腫瘍、陰茎癌、副腎癌、骨盤内腫瘍など泌尿器悪性疾患のほとんどを診ていた。泌尿器科病棟は35~40床ほどで当科と同様。外来は、月~金曜日まで3診制で、1日150人前後。9割がた紹介受診されていた。セカンドオピニオン目的で受診される患者さんも多く、なかには厳しい病状の症例も少なくなかった。手術は毎日あり、件数は非常に多かった。開腹の手術が圧倒的に多く、毎日のように手術の助手に入り指導していただいた経験は、貴重であった。私が研修していた期間に行われた主な手術は、前立腺全摘(開放、ミニマム創)、TUR、膀胱全摘(回腸導管or代用膀胱)、腎尿管全摘(開放、ミニマム)、腎摘(開放、ミニマム)、腎部切(開放、ミニマム)、後腹膜リンパ節郭清、後腹膜腫瘍摘出術などであった。当科との大きな違いは、がん研ではラパロ手術はしておらず、ミニマム創手術を施行していたことである。また開放前立腺全摘は順行式で行い、腎部切除術は無阻血でハーモニックを使用して行っていたのも当科とは違いよい経験となった。開放前立腺全摘でのヘルニア防止術(腹膜鞘状突起切断法)の一工夫も勉強になった。
他科との連携もよく、術中に腸管が癒着していたり、直腸損傷したり、恥骨が術野の妨げになったりと、自前で処置できない局面では、他科に応援依頼してもすぐに対応してもらえる体制もよかった。前立腺生検も当科とは異なる方式であった。東京科歯科大学泌尿器科オリジナルの局所麻酔下(periprostatic nerve block + periapical triangleblock)で経会陰式8か所、経直腸式6か所の計14か所立体生検である。経直腸生検のみでカバーしきれない前立腺腹側の癌の検出を目的として行っていた。

≪文化・風土≫ ~医療、生活などにおいて実感した相違点~
ネームバリューのある病院であり、治療を求めて全国各地から患者さんがやってくる。がん研を受診する患者さんの年齢層は秋田とくらべて若く経済的に余裕がある方が多い気がした。患者さんは積極的に治療を求めて受診してくるので、自分の病気のことをネット等でよく調べてくる方が多く、医師としては基本的なことではあるがインフォームド・コンセントを細かくする必要があり、その重要性を再認識した。がん研の救急外来は、基本的に新患は受け付けず再診の患者さんがほとんどであった。がん研に通院されている患者さんが、外来時間外に急に具合が悪くなったとき有明まで来るのに時間がかかる場合や迅速な対応が必要とされる場合に自宅近くの対応可能な病院を受診できるよう「緊急避難先病院」をあらかじめ患者さんと相談し設けているのが印象的であった。しかし、地方と違って都内には病院、クリニックが多数ありすぎて「近医」と言っても患者さんはどこに行ったらよいのか迷うため、地域医療連携部がしっかりサポートしていた。


≪教育・研究≫ ~学生、研修医の指導体制や研究について気付いた点~
泌尿器科レジデント養成プログラムといった形式的なものはなかった。自分で考え積極的に自ら研修する姿勢がないとスキルアップは望めないと感じた。ただ指導医の先生方に疑問や相談をもちかけると、みな親切丁寧かつ熱心に指導してくださり良い環境ではあったと思う。

≪生活≫ ~交通の便など~
電車に慣れると交通は楽。通勤も電車で約30分弱であった。通勤時の満員電車もよい思い出になった。生活上、不便を感じることはなかった。


≪生活≫ ~日常生活で楽しかった思い出~
3か月と短い東京生活ではあったが、人とモノに溢れており刺激的であった。
がん研の先生方にも何回も食事に誘っていただき、ホームシックになることも全くなかった。
なんといっても12月でも雪がなく毎日晴れていて、日中の気温10度以上という気候が良かった。


≪その他≫ ~良かった点・悪かった点~
都市部にあるがん専門の大病院での研修は、地方との医療体制との違いも実感できよい経験であったと思う。がん研の先生方の癌に対するaggressiveな姿勢は、よい刺激となった。診断方法や治療など診療について、当科と大きな違いはなく、地方の秋田で行っている当科の医療レベルはがん研のものと何ら差がない、との印象を受けた。今回の研修を活かしつつ、今後も秋田のがん診療の発展に貢献したいと思う。