産婦人科専門医を養成するとともに、学位(博士(医学))の取得をもめざす6年間のコースを基本とする。全員大学院に入学し、一般臨床と平行して臨床研究を行うことにより、高度なリサーチマインドを持った臨床医の養成を目
標とする。秋田大学および県内連携病院における研修および研究の他に、東京医科歯科大学産婦人科に、3ヶ月ないし1年間出向し、第一線の医療と研究について学ぶコースを設定した。これらのコースは卒後臨床研修を修了した医
師を対象とした、産婦人科専門医の取得とサブスペシャリティの確立を目的とする6年間のコースである。どのコースを選択しても4年目には産婦人科専門医の取得が可能である。それぞれのコースに(1)産科、(2)婦人科、(3)生殖内
分泌のサブスペシャリティをめざす3つのコースが用意されている。専門医取得後は、各自の希望により、サブスペシャリティを決定し、専門的な研修へと進み、それぞれの専門医(周産期専門医、婦人科腫瘍専門医、生殖医療専門
医)取得を目指す。
コースの概要
広域アカデミック産婦人科専門医養成コース
大学病院・医療機関名 |
診療科 |
専門分野 |
指導者数 |
目的 |
養成人数 |
期間 |
秋田大学医学部附属病院 |
産科婦人科 |
産婦人科 |
11 |
産婦人科疾患全般の研修・周産期専門医研修・婦人科腫瘍専門医研修・生殖医療専門医研修・細胞診指導医研修・がん治療認定医機構認定医研修 |
3 |
4年 |
市立秋田総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
3 |
産婦人科疾患全般の研修・婦人科腫瘍専門医研修・がん治療認定医機構認定医研修 |
2 |
2年 |
秋田赤十字病院 |
産婦人科 |
産科 |
4 |
産科疾患全般の研修・周産期専門医研修 |
2 |
1年 |
秋田赤十字病院 |
産婦人科 |
婦人科 |
3 |
婦人科疾患全般の研修・婦人科腫瘍専門医研修・生殖医療専門医研修・細胞診指導医研修・がん治療認定医機構認定医研修 |
2 |
1年 |
中通総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
3 |
産婦人科疾患全般の研修・婦人科腫瘍専門医研修・生殖医療専門医研修・がん治療認定医機構認定医研修 |
2 |
2年 |
秋田組合総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
3 |
産婦人科疾患全般の研修・周産期専門医研修・婦人科腫瘍専門医研修 |
2 |
2年 |
鹿角組合総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
2 |
産婦人科疾患全般の研修・婦人科腫瘍専門医研修・周産期専門医研修・生殖医療専門医研修 |
1 |
1-2年 |
山本組合総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
4 |
産婦人科疾患全般の研修・婦人科腫瘍専門医研修・生殖医療専門医研修 |
2 |
2年 |
仙北組合総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
3 |
産婦人科疾患全般の研修・婦人科腫瘍専門医研修・細胞診指導医研修・がん治療認定医機構認定医研修 |
2 |
2年 |
平鹿総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
2 |
産婦人科疾患全般の研修・生殖医療専門医研修 |
2 |
2年 |
雄勝中央病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
1 |
産婦人科疾患全般の研修・周産期専門医研修 |
1 |
2年 |
由利組合総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
1 |
産婦人科疾患全般の研修・婦人科腫瘍専門医研修・がん治療認定医機構認定医研修 |
2 |
2年 |
市立角館総合病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
1 |
産婦人科疾患全般の研修・周産期専門医研修 |
1 |
2年 |
東京医科歯科大学医学部附属病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
24 |
産婦人科疾患全般の研修・周産期専門医研修・婦人科腫瘍専門医研修・生殖医療専門医研修・細胞診指導医研修・がん治療認定医機構認定医研修 |
2 |
3ヶ月または1年 |
島根大学医学部附属病院 |
産婦人科 |
産婦人科 |
6 |
産婦人科疾患全般の研修・周産期専門医研修・婦人科腫瘍専門医研修・生殖医療専門医研修・細胞診指導医研修・がん治療認定医機構認定医研修 |
2 |
3ヶ月または1年 |
|
|
|
|
受入人数 |
3 |
|
コースの実績
秋田大学医学部附属病院産婦人科は一般病棟と周産母子センターから構成される。周産母子センターは秋田県内のすべての地域から二十四時間体制で救急搬送を引き受けており、ヘリコプターによる搬送も行っている。婦人科悪
性疾患の県内からの集積率はおよそ50%で、県内病院の中で群を抜いている。また県内の体外受精・胚移植の90%以上が当院で施行されている。大学病院では、11名、関連病院では30名の産婦人科専門医の指導のもと、14名の専門医
研修医(男性7名、女性7名、このうち大学院生4名)が研修している。本コースでの大学病院における病床数は42床、平均稼働率90-95%、平均在院日数11日、年間分娩数460件、悪性腫瘍手術年間110件、体外受精治療周期400周期であ
る。多数の症例が短期間のうちに入退院を繰り返し、多彩で豊富な臨床経験を積む事が可能である。
コースの指導状況
秋田大学産婦人科の特徴はバランスのとれた研修にある。大学病院においては産科、婦人科、不妊・内分泌の先端的医療に接し、関連病院においては産婦人科の一般臨床を学ぶことができる。本コースの指導のモットーは以下の
通りである。
- 診療はチーム診療である。常に指導医、上級医、研修医で診療しているので、決して放置されることはない。
- 指導には格差・差別はない。出身大学、出身地などを気にすることもない。
- どこの関連施設にいても、どこに留学していても、必ず定期的にコミュニケーションをはかり、メンタルヘルスにまで気を配る。
- 可能な限り専門医研修時代に多くの臨床経験を積ませる。
専門医の取得等
学会等名 |
日本産科婦人科学会 |
資格名 |
産婦人科専門医 |
資格要件 |
- 初期研修終了後3年以上学会に所属していること。
- 5年以上の臨床研修歴を有すること。
- 5年のうち、3年以上は日本産科婦人科学会研修認定施設で研修していること。
- 資格認定試験合格。
|
全員が日本産科婦人科学会研修認定施設で研修を行う。秋田大学医学部附属病院は、産婦人科専門医11名。 |
学会等名 |
日本周産期新生児学会 |
資格名 |
周産期専門医 |
資格要件 |
- 日本産科婦人科学会、日本小児科学会、日本小児外科学会のいずれかの専門医であること。
- 3 年以上継続して本学会会員であること。
- 上記の専門医資格を取得後、所定の期間、本学会が認定する研修施設での臨床研修を修了していること。
- 所定の学術研究業績を有すること。
|
周産期暫定指導医1名。専門医は2008年度以降に認定予定。 |
学会等名 |
日本婦人科腫瘍学会 |
資格名 |
婦人科腫瘍専門医 |
資格要件 |
- 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医であること。
- 継続3 年以上本学会会員であること。
- 指定修練施設において所定の修練ガイドラインに従い、通算3 年以上の修練を行っていること。ただし、この3 年以上の修練期間とは、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医の資格を取得してから3 年以上とする。
- 資格認定試験合格。
|
婦人科腫瘍専門医1名。 |
学会等名 |
日本生殖医学会 |
資格名 |
生殖医療専門医 |
資格要件 |
- 会員歴が通算5年以上。
- 産婦人科専門医(日本産科婦人科学会認定)あるいは泌尿器科専門医(日本泌尿器科学会認定)で専門医資格取得後3年以上の生殖医療の臨床経験があること。
- 生殖医療に関する論文が10編以上(うち主著2編以上)および学会発表が10題以上(うち筆頭2題以上)あること。
- 資格認定試験合格。
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生殖医療専門医5名。 |
学会等名 |
日本臨床腫瘍学会 |
資格名 |
がん薬物療法専門医 |
資格要件 |
- 申請時点で2年以上継続して日本臨床腫瘍学会会員である。
- 申請時において5年以上がん治療に関する研究活動を行っていること、および癌治療に関する十分な業績がある。
- 研修認定施設において所定の研修カリキュラムに従い、2年以上臨床研究を行いこれを終了した者。
- 各科の基本となる学会の認定あるいは専門医の資格を有している。
- 資格認定試験合格。
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日本臨床腫瘍学会暫定指導医2名。 |
学会等名 |
がん治療認定医機構 |
資格名 |
がん治療認定医 |
資格要件 |
- 基本領域の学会の認定医又は専門医の資格を有する。
- 認定研修施設において、癌治療研修を終了し、指導責任者による証明がなされている。
- 最近5年間に業績基準に挙げる学会において発表された、がん診療についての業績2件、業績基準に挙げる学術雑誌または学術図書に掲載されたがん診療についての業績1件を有する。
- がん治療認定機構が開催する教育セミナーに参加し、受講後に行われる認定試験に合格している。
- 最近5年間に所定の学術単位を合計で20単位以上取得している。
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がん治療認定医1名、がん治療認定医機構暫定教育医1名。 |
コースの流れ